人気ブログランキング | 話題のタグを見る

元・野良ちゃんで肢を無くしたリオンとFIPでも元気に頑張ってる局長の日々。


by lyon-sion
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

誰の判断?

リオン、無事に戻ってきました。

正直な所、術後管理のために入れられていたケージから出てきたリオンは
別人ならぬ別猫さんで、これがあの「まあるいリオン?」と思いました。

エリザベスカラーをし
ふわふわな毛はべったりしていて、お腹はハゲて丸見えでした。

目はうつろで、久しぶりに長時間座っていたせいか
肢はよろよろしていました。

麻酔をして挿管もしていたので
舌はべろーんと伸び、よだれが顎の毛から落ちそうでした。


先生のお母様らしき方に、
「この子は大人しくて本当にいい子だったのよ(^ー^)」
と声をかけて頂きましたが
我が子ともいうべきリオンの変わり果てた姿を見、、
決して「大人しいいい子」ではなく、
極度の緊張のせいで動けなくなっていたはずであるので
申し訳ないという気持ちを持ちつつも、笑顔で返事をすることは出来ませんでした。

飼主を安心させるのは、この姿では無理ですよ。

本当は、そう、冷たく口から出そうでした。
気遣ってくださったのは、重々承知しています。
だけど、ここはペットホテルじゃありません。
私が旅行にでも行ってきて、リオンと久々の感動の対面をする場所ではありません。
動物病院なのです。
リオンの命を預けた動物病院です。

いつもなら、ちょっと物音や私達が不意に近づいてびっくりして
黒い丸い目を瞳孔いっぱいに開いて見せるのですが
今日は、その瞳孔が開ききった周りを血走った白目が囲んでいました。

すぐにでも連れて帰りたい衝動を抑えつつ
聞かなければならないことを尋ねました。


なぜ、GPTが220で手術に踏み切ったのか。
傷跡は、何の手術かと言う前に避妊跡ではないかとの判断は出来なかったか。


手術するかどうかの連絡は、この手術を決行すると決めた時点で
無いとの約束でしたから、それは聞きませんでした。

回答は同じでした。
食事制限によるものからくる、肝細胞内のGPTの変化なので
前日からの数値が下がったので、手術を行ったと。

だけれど、今日の昼間に私は別の医師に
リオンの状況だったら、どう対処していたかを尋ねていたので
「かなり高い数値であれば、手術するかどうかの判断は変わるのではないかと」と
聞いてみましたが、摂食状況でのこの数値変化では、手術をしても大丈夫と判断したとの返事です。

そして、傷跡について先生は私に
「前の診察で、リオンに手術経験があるとは言ってませんでしたよね?」
と言われました。

言うはずありません。まともにお腹を見たことも無いのに
手術跡を見つけることは出来ません。
それに、先生はワクチンのついでの診察時に
今後の避妊手術を相談したとき、リオンのお腹を触診しながら
「この子、たぶんまだ子宮はありますね。」
そう言っていました。

飼主である私が、手術跡を見つけられなかったのは事実ですし
それについて説明をすることは出来ませんでしたから
手術自体を傷の有無でするかどうかの判断をしないならば
開腹したことへの責任の所在は私にあるのでしょう。

そして、「たぶんまだ子宮はありますね。」という
先生の言葉を鵜呑みにしたことについても
CTを撮影できる病院で調べてから避妊してほしいという要望を出せなかった私にあるのかもしれません。

(その病院にCTはないようです。エコーはありますが、これで見えるのは膿みが溜まったりして病変しているものや妊娠時で、そのことだけは私自身、事前に知識として知っていました)

でも。
そうならば、事前に避妊の相談などしなかったでしょう。
術前の患者の情報に、飼主である私自身が全責任を持たなければいけないのなら
口頭で手術日だけ決めればよかったのです。
そして、「たぶんまだ子宮はありますね。」との先生の診断を
患者側である私に疑えというのなら、診察なぞ必要がありません。

言葉尻をつかんで、こうして書いていますが
先生は自分が診断として口にした「たぶんまだ子宮はありますね。」ということを
昨日は忘れているようだったからです。

ここは患者さんも最近多くなってきていて
忙しいのは理解しています。
でも、内臓があるかどうかの話を飼主にしたのは
世間話の一環だったのでしょうか。
だから忘れてしまったのでしょうか。
こんなことで、無駄な開腹がされてしまったことにつながったのでしょうか。



その後、縫合についてのことや術後管理のことを話してから
化膿止めをもらい帰宅しましたが
部屋に戻ったリオンは震えたままでした。

エリザベスカラーをつけたままでしたが
GPTを下げるために、何でもいいから食べてもらわなければいけないので
いつものネコ缶をあげてみましたが口を付けず・・・・・

ただ、病院ではない、いつもの寝床へ帰って来たんだということが
うつろな表情をしながらも分りかけてきたようで
テレビラックの下にもぐりこみ、体を横たえました。

物音がしても動かない、目を開けないという状態だったので
そっとしておくのが一番なのかと、ニンゲンはリオンのいる部屋から出て
いっぴきにさせておきました。

退院後1日だけは、そばにいて様子を見るつもりでしたから
今日はあらかじめ休暇を取っておきました。

今朝になって、歩く元気も出てきました。

お昼頃には、窓のところに置いてある新しいベッドで横になり
外を眺めていました。
せっかくここまで元気になったのだからと
エリザベスカラーを後ろからそっと外しました。
威嚇されるかと思いましたが、されるがままになっていてくれました。
ということはまだ怯えきっている証拠だと思い
夕方までそっとしておきました。

その後、怯えの様子は変わりませんでしたが
ごはんも少し食べたし、おしっこの様子もいつもどおりです。

あとはゆっくり回復して、先週の土曜の朝のリオンに戻ってほしい。
ごはんまだ?と声をかけてほしい。
何してるの?と、私たちのいる隣りの部屋を覗きに来てほしいです。




前回書いたように、GPTの数値もお腹の傷があることでの
手術の中止も、獣医師の絶対の判断ではないことは理解しています。
いろんな症状があれば、それを判断する獣医師もさまざまですから
「こうしなければいけない」「こうあるべき」というのが存在しないのは理解できます。

ですが、今回の獣医師の判断について
釈然としないものを感じたのも事実です。


今、私は、リオンの避妊が済んでわが家の環境に慣れたら
エサやりを本格的に開始したい野良ちゃんたちがいます。
(もしかしたら、地域ネコさんでごはんはもらっているかもしれませんが・・・今、調べている最中です。)

もし、その子達を迎えることになったら
リオンと同じ手順を踏むことになるので
今回のことを繰り返すわけには行きません。

ですから、昨日・今日とセカンド・オピニオンの意見を伺いました。
リオンが野良ちゃん時代に住んでいた場所の地域ネコNPOの方にも
野良ちゃんを手術していく背景を伺いました。
次に、ちゃんとまとめて書こうと思います。





・・・昔の話をひとつ。

私が小学5年生の頃、2人の弟のうち、上の1歳半の子は
年中ひきつけを起こしていました。
いつもなら、口に割り箸やタオルを噛ませ、舌を噛まないようにして治まるのを待ちます。
ところが、ある晩、ひきつけの様子がいつもよりも酷く
深夜2時に救急車を呼び、たまたま上京していた祖母が付き添い救急病院へ行くことになりました。

私が行っても、なんの役にも立たないので
父と下の0歳の弟とともに家で待っていました。

その日は連休中で、空が白む頃まで母と弟の帰宅を待っていました。

疲れきった母が、小さな毛布でくるんで連れ帰った弟は
すやすやと寝息を立て、すぐにもう安心してもいいのだと分りました。

でも、母は弟をベッドに寝かしてから座り込み
父に行きがけの救急車での出来事を話し始めました。

○○(弟の名)が硬直してしまい、必死に抱き抱えているときに
救急隊員さんが笑い話をするのよ! と憤っていました。

弟がどうなるか分らない状況で、何を思ったか関係のない、まして笑い話を始める救急隊員。

父は、即座に笑ってこう答えました。
小学5年生の私でも、すぐに気付けたことでした。

もう救急車に乗っている。
応急処置は済んでいる。
後は、救急病院へ行くだけ。
だけれど、患者の保護者が緊張しきっている。

救急隊員の方は、まぁ、不器用ながらも
母の緊張をほぐそうとしてくれていたのだろう・・・・・


リオンの入ったキャリーを持ち、自宅まで歩いてくる道で
この出来事を思い出しました。

そっか。

そう口にしたけれど、もう50メートルは歩いてきてしまっていました。

術後のリオンを迎えに来たのに
長時間待合室で待たされていた私は
手術についての疑念が膨れ上がっていて
おそらく暗く怖い顔をしていたのかもしれません。

もちろん、そんなことを考えていることはご存じなかったはずですが
それでも、明るく声をかけ、なんとか時間をもたせてくださろうとしたのだと思います。


病院とは、いろいろな状況の人が交錯する場所で
それが言葉を交わせないわんちゃんやネコちゃんなら、なおさら飼主さんの思いも様々になってしまう所だと思います。
そんな場所の「緩衝」的な存在を、買って出た方だったのかもしれません。
by lyon-sion | 2007-04-04 01:13 | リオンの日々