局長通院メモ20071117~獣医師とは。飼主とは。
2007年 11月 18日
ちょっと寒々しい空模様だったので、局長を毛布にくるんで病院へ。
検便の結果はキャンピロバクターがしつこく活動中。
エリスロマイシン継続投与。
体温は38.8度、体重は3.31kg。
少し減っちゃったけど、いきなりカクンと落ちたわけではなく
緩やかな下降なので問題ないとのこと。
そういえば、今週は先週ほどk/d缶も食べてはくれてなかった。
とりあえず市販の缶詰を止めて、体調変化を見たかったから
ほぼ療養食だけのごはんだった。
さて、キャンピロバクターについて。
おそらくエリスロマイシンは、効いていると思う。
だけど、
小腸で消化吸収が効率よく出来ていない
↓
食べたものが未消化に近い形で大腸へ
↓
栄養たっぷりのうんちが大腸へ到着
↓
キャンピロバクターが栄養を吸収して活性
↓
壊滅せず
を繰り返している。
が、体調の改善は目覚ましいものがあるので
投薬で微生物は抑える努力だけしていけばいいのかなと思う。
なぜなら、仮にキャンピロバクターの抑制に成功しても
養分たっぷりの残瀉物が絶えず供給されるのだから
いたちごっこにしかならない。
そこで、オメガ3.6脂肪酸の摂取で消炎・抗酸化し
エリスロマイシンの細菌抑制以外の効用である免疫調節が図れれば
体調はいいのだから、これが現状としてはベターではないのだろうか。
もちろん、ベストの方法も探してはいるけれど
それは合併症が発症してからでないと、おそらく効果がわからない。
私はN病院に転院する際に状況説明をしに行ったとき
獣医師にこう話した。
「獣医師のカンや経験は大事なものであることは理解しているけれど
それよりも検査根拠をもとにした治療をしてほしい。」
C病院では、カンや臨床経験重視の治療の果て、匙を投げられたので
N病院へ初めて行ったときは、もうその思いで頭の中がいっぱいだった。
FIPによって(ウィルスではなく)内蔵細胞変性を起こしていると診断できるのなら、やれることはまだまだたくさんあるわけで。
処方薬の検討ではなく、追加でしのいできたのだから。
それなのに、そうせずカンと経験だけで匙を投げるのなら、通院する意味がない。
臨床に携わりながら研究も、と多くを望めないのはわかっているけれど
猫の病気の中でも難病であるのだから、飼主の要望である「治してほしい」ということは、両方に手をかけて、治癒する道を探ってほしいということになる。
だから、N病院の獣医師には、少しだけ、まして初対面で失礼だと思いながらも、そう話した。その人の獣医学の蓄積を疑うことにつながるからだ。
でも、これで難色を示すのなら、以後のインフォームド・コンセントなどできない。悪化した時にいいなりにしかなることができない。
相談、という重要なことができなくなってしまう。
でも、獣医師の返事はこうだった。
「そのことを肝に銘じて、治療に入ります」
獣医師は、それを確実に実行してくれている。
なんでも根拠となるものを示したりして説明し、治療にあたってくれている。
(文献のときもあったけれど、図解の辞典を出して来て説明してもらったのは嬉しかった。なんせ、言葉だけで完全に理解するのは難しい。だから話をメモして通院から帰って来て、薬効や体内器官のおさらいをしないと飲み込めない)
獣医師とは、動物の疾患を治療してくれるのが仕事だけど
そこに、「飼い主の不安も減少する努力をしてくれる」ことが加わったのなら、それは信頼につながる。
我が家の地域の獣医師会のQ&Aにこういう回答がある。
Q.良い動物病院を選ぶポイントは。
A.良い患者-医者関係は両者の信頼関係の上に築かれます。獣医師のどの部分を見て信頼を置くかはそれぞれの患者さんによって違うと思われます。尋ねてみたいことを率直に聞いてみて、ご自分の納得のいく獣医師を選ぶことが一番大切な点ではないでしょうか。因みにこの場合の信頼関係は双方向性(インタラクティブ)のものであることもお忘れなく。
これができれば理想。
理想だけど、こうするためにイニシアチブを取るのは、獣医師であってほしいと思う。
飼主が専門領域に踏み込まなければならないなら、その治療開始のスタートラインにアドバンテージが全くないのは厳しいことだと思う。
だから先導してほしい。
そうしてくれれば、家でのケアに治療過程のウェイトが大きかろうとも、飼主さんたちは一生懸命努力をするのだから。
双方向性の信頼を得るための、互いの努力は惜しまない。
これをN病院の獣医師に示すためにも、私も頑張らなきゃと久々に思った。
きっといい方向に向かうと思えたから不思議だ。
気持ちの問題なんだけど、これって日々お世話するなかで大事なことなんだなと思う。
検便の結果はキャンピロバクターがしつこく活動中。
エリスロマイシン継続投与。
体温は38.8度、体重は3.31kg。
少し減っちゃったけど、いきなりカクンと落ちたわけではなく
緩やかな下降なので問題ないとのこと。
そういえば、今週は先週ほどk/d缶も食べてはくれてなかった。
とりあえず市販の缶詰を止めて、体調変化を見たかったから
ほぼ療養食だけのごはんだった。
さて、キャンピロバクターについて。
おそらくエリスロマイシンは、効いていると思う。
だけど、
小腸で消化吸収が効率よく出来ていない
↓
食べたものが未消化に近い形で大腸へ
↓
栄養たっぷりのうんちが大腸へ到着
↓
キャンピロバクターが栄養を吸収して活性
↓
壊滅せず
を繰り返している。
が、体調の改善は目覚ましいものがあるので
投薬で微生物は抑える努力だけしていけばいいのかなと思う。
なぜなら、仮にキャンピロバクターの抑制に成功しても
養分たっぷりの残瀉物が絶えず供給されるのだから
いたちごっこにしかならない。
そこで、オメガ3.6脂肪酸の摂取で消炎・抗酸化し
エリスロマイシンの細菌抑制以外の効用である免疫調節が図れれば
体調はいいのだから、これが現状としてはベターではないのだろうか。
もちろん、ベストの方法も探してはいるけれど
それは合併症が発症してからでないと、おそらく効果がわからない。
私はN病院に転院する際に状況説明をしに行ったとき
獣医師にこう話した。
「獣医師のカンや経験は大事なものであることは理解しているけれど
それよりも検査根拠をもとにした治療をしてほしい。」
C病院では、カンや臨床経験重視の治療の果て、匙を投げられたので
N病院へ初めて行ったときは、もうその思いで頭の中がいっぱいだった。
FIPによって(ウィルスではなく)内蔵細胞変性を起こしていると診断できるのなら、やれることはまだまだたくさんあるわけで。
処方薬の検討ではなく、追加でしのいできたのだから。
それなのに、そうせずカンと経験だけで匙を投げるのなら、通院する意味がない。
臨床に携わりながら研究も、と多くを望めないのはわかっているけれど
猫の病気の中でも難病であるのだから、飼主の要望である「治してほしい」ということは、両方に手をかけて、治癒する道を探ってほしいということになる。
だから、N病院の獣医師には、少しだけ、まして初対面で失礼だと思いながらも、そう話した。その人の獣医学の蓄積を疑うことにつながるからだ。
でも、これで難色を示すのなら、以後のインフォームド・コンセントなどできない。悪化した時にいいなりにしかなることができない。
相談、という重要なことができなくなってしまう。
でも、獣医師の返事はこうだった。
「そのことを肝に銘じて、治療に入ります」
獣医師は、それを確実に実行してくれている。
なんでも根拠となるものを示したりして説明し、治療にあたってくれている。
(文献のときもあったけれど、図解の辞典を出して来て説明してもらったのは嬉しかった。なんせ、言葉だけで完全に理解するのは難しい。だから話をメモして通院から帰って来て、薬効や体内器官のおさらいをしないと飲み込めない)
獣医師とは、動物の疾患を治療してくれるのが仕事だけど
そこに、「飼い主の不安も減少する努力をしてくれる」ことが加わったのなら、それは信頼につながる。
我が家の地域の獣医師会のQ&Aにこういう回答がある。
Q.良い動物病院を選ぶポイントは。
A.良い患者-医者関係は両者の信頼関係の上に築かれます。獣医師のどの部分を見て信頼を置くかはそれぞれの患者さんによって違うと思われます。尋ねてみたいことを率直に聞いてみて、ご自分の納得のいく獣医師を選ぶことが一番大切な点ではないでしょうか。因みにこの場合の信頼関係は双方向性(インタラクティブ)のものであることもお忘れなく。
これができれば理想。
理想だけど、こうするためにイニシアチブを取るのは、獣医師であってほしいと思う。
飼主が専門領域に踏み込まなければならないなら、その治療開始のスタートラインにアドバンテージが全くないのは厳しいことだと思う。
だから先導してほしい。
そうしてくれれば、家でのケアに治療過程のウェイトが大きかろうとも、飼主さんたちは一生懸命努力をするのだから。
双方向性の信頼を得るための、互いの努力は惜しまない。
これをN病院の獣医師に示すためにも、私も頑張らなきゃと久々に思った。
きっといい方向に向かうと思えたから不思議だ。
気持ちの問題なんだけど、これって日々お世話するなかで大事なことなんだなと思う。
by lyon-sion
| 2007-11-18 16:35
| 局長通院メモ(現在:N病院)