元・野良ちゃんで肢を無くしたリオンとFIPでも元気に頑張ってる局長の日々。


by lyon-sion
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ワクチン摂取前

病院の外で日向ぼっこしながら順番待ち。
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by lyon-sion | 2007-01-28 23:54 | リオンの日々

寄り添う白い色

話は少し戻るけれど、リオンの捕獲を失敗した日
茶トラの子猫を相方が見つけた。

リオンと黒ちゃんはいっしょに行動しているらしい。

それまでは知っていたけれど
同じテリトリーに、もういっぴき、しかも子猫がいるとは思わなかった。

私が持っていくごはんは食べていないようだということしか分らなかったけれど
リオンよりはるかに小さいその茶トラの子猫を放置は出来ない、と
なんとなく考えたりしていた。

たぶん、その子は捕獲器では捕まえられないから
もうごはんでつって素手で捕まえるしかないのかもと
いつもより多目のごはんを持っていくようになった。



リオンがいたよ、むこうに。

スーパーの周りを見回っていた相方がいう。
だけど、相方の指す方向で、私がリオンを見かけたことはなかった。
新たな寝床なのか?と思っていた翌日、
リオンを見守ってくれていた近所の人にその答えを聞くことが出来た。

もういっぴき、白い猫がいる。

最初はリオンかと思ったらしいが、4肢揃っている猫だったから
リオンではないと言っていた。


そして、また週末、相方と揃ってリオンを捕まえるべく
深夜のスーパー裏にきた。

私はごはんを持って待機、相方はいつものように周囲の見回り。

この夜はラッキーなことに、カリカリの音を聞いてリオンが現れごはんをそのまま食べてくれた。

そこへ相方が戻ってきて、リオンを見ながらこう言う。
「茶トラの子猫、白い猫と一緒にいたよ」

それを聞いて、私の茶トラの子猫への考えは白紙になった。

子猫は白いお母さん猫と一緒にいたのだった。


そうなれば、もう、寒さとか食餌とかの前に
親子を引き剥がすということは出来ないし、必要ないことになる。

いや、お母さん猫はお腹が空いているかも知れない。
だけど、子猫と一緒なのに、安易にニンゲンが近寄ることなんて出来るはずもなかった。


後日、黒ちゃんにはごはんをくれる人がいるということを
近所の人に教えてもらったとき、その不安な気持ちも晴れることになった。

その親子のいる場所は、ごはんをくれる家のあたり。
おそらく、ちゃんとごはんをもらえているのだと思うと。

だったら、もう私の出る幕なぞどこにもなかった。

捕まえてワクチンでも・・・と思われるかもしれないが
リオンですら精一杯の私が、無計画に捕獲して病院へ連れていくことも
出来るわけも無かった。


リオンを捕獲した翌日、動物病院の待合室にいると
野良ちゃんを捕まえたNPOの方が入ってきた。
この病院は、積極的に地域猫さんの病気予防と避妊手術を
NPOさんとともに行っていた。

たぶん、ワクチンを打ち、避妊・虚勢手術を受けるのだろう。
そして、手術が終わったその子は
耳に手術済みのVカットがされるのだと思う。


子猫。

そう聞いたとき、ちょっとだけあの小さくてふわふわでやんちゃな様子を思い浮かべ
抱っこしてみたいな、なんて思っていた。

それに子猫なら、必要以上にリオンや成猫の黒ちゃんを警戒しなかっただろうし
甘えながら育ってくれるかもしれないとも、少しだけ思った。

でも、やっぱりどんなおいしいごはんより
どんな柔らかい毛布より、お母さん、がいいよな。

いつか、お母さんのもとからひとり立ちする日もくるのだろうが
それまで、精一杯甘えて暮らしてほしい。

ちょっとだけ、さびしくなったけれど
私なんかといるより、今はそれが一番。

たぶん、それが一番。
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by lyon-sion | 2007-01-27 03:12 | リオンとの出会い~お迎え迄
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by lyon-sion | 2007-01-24 00:45 | リオンの日々
リオンは室内ネコさんになるのだから、焦ってワクチンを打たなくてもいいですよと言われる。

血液検査で採血するので、リオンは目いっぱいかもしれないと思い
レボリューションだけ差してもらって診察を終わった。

そして、黒ちゃんの処遇をどうするのか、先生に再び聞かれる。

今日初めて、ネコちゃんを育て始めた私は
正直、選択肢はなくなっていた。

ネコを良く知っている人が、この子は外のほうが合っているということに
なんの反対も反論も持つことが出来なかった。

か弱くやせ細った子ならまだしも、
5kgで健康と思われる体を持っている子を
嫌がろうがなんだろうが連れて帰る確固とした理由を言うことが出来なかった。

外は寒いだろう。
凍える日もあるだろう。
だけど、おそらくこの子は何度も冬を乗り越えているだけの年齢を重ねている。

そして、定期的に食餌を摂っていることが容易に推測できる・・・・・


ネットで野良ちゃんたちを保護している方達が
里親さんに提示する条件に、完全室内飼育というのがある。
そして、ワクチンを打ち、去勢、避妊を施す・・・・

だけど、この先生は、私に全く反対のことを言う。

どっちが幸せななのか。

その答えが見つからない。

考えます、と言って、リオンと同じようにレボリューションを差してもらい
動物病院を後にした。


どっちつかずで車に乗ってから、同行してくれた弟がこう言う。

「無理なんじゃねえの?獣医がああ言ってるのを無理やり飼うの?」

まさにその通りなんだよな、そう答えると
リオンはともかく、黒ちゃんは戻してやったらと返してきた。



「黒ちゃん」

ここでは、黒いネコだからそう書いてきたけれど
本当は名前を付けていた。

最初は「黒ちゃん」と呼んでいた。

でも、キャリーに入って、獰猛とも思える姿を見て
相方が笑いながらこう言った。

「ボスネコだな」

確かにたぬきのようなもふもふのしっぽ、大きい体、野太い声、
何をとってもか細い、か弱い所など見当たらない。
そして、綺麗で大きくて力強く鋭い眼差しの、潤んだ漆黒の瞳を持っていた。

「どう見たってボスだな。黒いボスネコ。クボちゃんだな」


リオンという名は、悩みながらつけた。
それなのに、黒ちゃんにそんな安易な名前を付けていいのかと
最初は否定的に思ったけれど
見れば見るほど、元気で力強い黒ちゃんと接していると
リオンに持った不憫な思いが消えていった。
近所の元気なガキんちょを見てるような気分になる。

だから、人が聞いたら「は?」と言ってしまうような
コミカルに思える名前でも良いんじゃないのかなんて思い始めていた。


キャリーに入っているクボちゃんに声をかけた。
お外、戻るか?

相変わらず、クボちゃんは、私に威嚇を続けていた。
力強い瞳のままで、凝視してくる様子を見てまた声をかけた。

これからもお外だけど、いいのか?
がんばっていけるか?

もちろん、通じてるわけがない。
だけど、全身で帰りたいと言っている様子を見て決めた。


リオンがいたスーパーの裏手に、クボちゃんの入っているキャリーを持ってくる。
そこには、日中に来られない私のために、
いつもリオンの様子を見て教えてくれた人がいた。

ダンボールの看板を、その人も見ていたので
あれから姿を現さなかった私とリオンを心配してくれていた。

動物病院での経緯を話し、お外に戻すことを伝えると
「大丈夫だと思いますよ」と即答してくる。

あの角の家が、と、マンションの隣の白い家を指差し
ネコちゃんを外飼いしている家だと教えてくれた。
その家では、野良ちゃんにもごはんをあげているらしいという。

それに、、、と、うちの倉庫に寝ていたのも見たから
寒かったら、藁の敷いてあるあったかいところで寝ると思いますよと言ってくれた。

その方の家は、犬を3匹育てていて、ネコちゃんを育てることは出来ないけれど
ネコが庭に入ってきても、なんでもないと言っていた。


リオンと会って間もない頃、フェンス脇でごそごそとごはんを準備している
不審極まりない私に声をかけてきたのが、この方のお母様だった。

野良ちゃんは、排泄でご近所に迷惑をかけるかもしれないという
固定観念の塊だった私は、お母様が「何してるの?えさやってるの?」
と声をかけてきたとき、
戦々恐々と事情を説明しながら排泄での始末もしますからという私に、
「フン?フンしたって土の上でしょ?」と笑った人だった。

それから、毎日現れる私に、頑張るねえと声をかけてくれるようになり
娘さんまでも、話をしてくれるようになった。

近くでお店を開いているので、店番をしながら
肢のない白いネコをよく見ていたと、最初に話してくれ
引き取りたいという私に、じゃあ、日中の様子を見ておきますよと
申し出てくれた人だった。

その方も大丈夫と言ってくれるなら
本当に大丈夫なのかもしれない。

捕まえてはみたけれど、大きな成ネコをきっと面倒が見切れないと
病院の先生に判断されたのかもしれない。
事実、そうなのかもと、私自身も思わないこともなかった。
だけど、お世話していけばなんとかなる・・・そう思っていたけれど
ネコを育てた経験がゼロの私では、クボちゃんのほうがもてあますのかもしれない。

スーパーの東側にさえ出なければ、反対側は袋小路になっているので
車も通らない、だから、事故に遭うことも余程でない限りないはず。

それに食餌の面倒と、こうして見守ってくれる人がいる。

当面は、引越しもあるから手一杯の状態の私よりも
ここにいたほうがいいのかもしれない。


弟と二人がかりで、診察の時のまま洗濯ネットに入ってもらっていた
クボちゃんをキャリーから出した。
せーの!の掛け声で、洗濯ネットのファスナーを開ける。

暴れながら、ヨロケながらクボちゃんは飛び出した。
その後姿は、太い肢で、コンクリートの地面を力強く蹴って走っていた。

リオンには永遠にないその姿を、私は思いがけず
羨望の眼差しで見送った。


大丈夫、あんたなら大丈夫。
外の風がどんなにつらくても、頑張っていけるよな。

あんたたち、2匹を迎えるつもりで、この辺に家を探したけど
見つけられなかった。

だから、ここを離れるから、私はごはんを持ってきてやれないけど
ちゃんとあの白い家にもらいにいけるよな?

これからも、頑張ってお外で生きていくんだ。
何があっても負けるなよ。

でも、きっとあんたなら大丈夫。
なんの根拠もないけれど、私はそう信じてる。

だけど、つらかったら、負けそうになったら
この近所の人たちに、弱い顔、見せるんだよ?

そうしたっていいんだ。
それは、あんたの「負け」なんかじゃないんだ。
ニンゲンがあんたたちの居場所を、必要以上に奪ったから。

そして、約束してほしい。
私がリオンと一緒に、いつかこの町に戻ってくるまで
元気でいてくれ。

そして、頑張るのが疲れたら、うちにおいで。
ちゃんと1匹分はあけておくから。

たまにシャンプーして嫌な事もあるけれど
それ以外は嫌な事しないから。

その後は、私があんたのために頑張るから。
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by lyon-sion | 2007-01-21 06:02 | リオンとの出会い~お迎え迄

邪魔しないで!

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by lyon-sion | 2007-01-15 01:30 | リオンの日々

病院へ

1夜明けて、翌日の引越しの準備をしつつだったが
キャリーに入っているリオンと黒ちゃんをまずは動物病院へ連れて行かなければいけない。

探してあったペットホテル付きの動物病院は
今すぐ予約したって、今日診察してもらえるものでもないから止め
ほかの病院を探すことにした。

うちのカメさんたちの爪きりで
近場の病院に行ったことはあるけれど
果たして診察もちゃんとやってくれるかは定かじゃない。

爬虫類ということで、いい顔されなかったこともあるし
所詮自由診療だから、仕方ないと割り切ってきた。

いつものように近所の動物病院をネットで調べてみたけれど
HPを持ってるのは、そのペットホテルつきの所だけだったから
口コミでいろいろ探すことにした。

そして、リオンを見つけた場所から、歩いて10分のところの
犬猫専門病院の評判がいいことを知る。

だけど、引っ越すからおそらく最初で最後の診察になるかもしれない。

1回だけっていうのは、儲からないから
そっけない動物病院を2件を見てきたので、少し躊躇した。

無くなっている肢をどう診察されるんだろうか。
傷口の縫合とかあるのかもしれない。

でも、ネコちゃんについては知識ゼロに等しい。
だからもう判断は無理と思って
地元の地域ネコNPOの代表の方に電話をして
どこがいいか教えてもらうことにした。

電話に出てくださった代表の方は、事情を根気よく聞いてくださり
ここであれば、という病院を教えてくれた。
そこは、さっき私が口コミで見つけた病院だった。

お礼を言う私を、何度も励ましてくださり
何かあったらいつでも相談してくださいとの言葉を頂いた。

思わず口から、「はい、数年後に、またこの土地に戻ってきますからそのときはお願いします!」と出掛ったけれど、明日はとりあえず旅立ちの日だから留める事にした。

いちばんつらかった時に、なんでここに電話できなかったのだろうと
今更ながら後悔したけれど
本音は、リオンを捕まえることを手伝ってもらったとしても
私はリオンと一緒に引越しをし、この土地を去る。
だから、この方達に恩返しができない、だから、頼っちゃいけない、そう思っていた。

たった2駅離れるだけだけれど、日々の遠距離通勤と
動物達のお世話でくたくたな私に何ができるのか、そう考えると
やっぱり体力的に無理としか思えなかった。

でも。
何も一緒に野良ちゃんを捕獲して、動物病院へ連れて行くボランティアばかりが手伝いでもない。
やれることなんていっぱいあるはずだ。

だからまずひとりで、野良ちゃんと向かい合うことになっても
ぎりぎりまで抱え込まないで相談することも、ネコちゃんにとっていいことだと
思い直すことが出来たと思う。



それからすぐに病院変へ電話し、洗濯ネットに入れてつれてこいという
指示の元、2匹それぞれを入れ病院へと急いだ。


硬直しているリオンから診察台へと上ることになった。

診察をしながら、今までの経緯と無くした肢の処置をお願いする。

まず口腔内を見て、年齢を想定してもらう。

私はリオンは成ネコさんだと思っていたのだが
生後半年くらいで1歳にはなっていないらしい。
性別は女の子。体重は2.5kg。

ということは、初夏あたりからスーパーの裏で見かけるようになったという
近所の方の話と合わせると、やっぱり子猫で捨てられたのかもしれない。

そして。
リオンは看護師さんに抱えられて、ナナメ後ろからしか見えない状況だったのだけれど、先生は、肢を見てひとことこう言った。

「肢、治っていますね」

え、だって、夕べも血が出てましたよ?と説明する私にこう続けた。

「これは手術のあとですね。どういう経緯かわからないけれど、手術をしてからお外へ出されたのかもしれないですね」と。

おそらく事故か虐待でだめになった肢を
誰かが病院へ連れて行き、治療した後で外へ出した・・・・・


私はどうとればいいのだろう。

とりあえず左肢が壊死するような事態になった。
見かねた飼主か親切な人が動物病院へ連れて行き手術した。
だけど、飼えないから外へ出した。

飼主がそうしたのなら、あなたは最低だ。
外で生きていくって言うことは、人間が一番の脅威であるはずだ。
それから身を守る術を失った状態でなぜ捨てた?

親切な人がそうしたのなら、なぜそこまでして飼主さんを見つけてやってくれないのだろう?
ほかにも不遇なネコちゃんはいっぱいいるけれど
片肢でどうやって生きて行けと言うのか。
いや、壊死したまま放置されていたら、間違いなくリオンは死んでいた。
だから、そうしてくれただけでも感謝すべきことなのか。


だけど。
リオンと暮らして、いつか気持ちが通じる日もくるかもしれない、
だけど、リオンはどんな目にあって、どんな風に生きてきたか
永遠に教えてもらうことなんて出来ないのだから
今、目の前にとりあえず元気な姿でいることに
私自身が満足すればいいのかもしれない。


血液検査をして、健康状態とウィルスチェックをし
今度は黒ちゃんの番になった。

診察台でも暴れる。
洗濯ネットの口をぎゅっとつかみながら、診察をしてもらう。
体重は5kg。大きいはずだった。

黒ちゃんは男の子。
でも暴れて口の中をチェックさせてくれないから年齢はわからないけれど
一通り触診し、また先生はこういう。

「この子は健康ですね、食餌もリオンちゃんと違ってちゃんと摂っているようです。
毛並みも良いし、
鼻水が少し出ているから、風邪気味ではあるけれど、大きな病気はしてないです。
この子はもしかしたら、お外で生きていくほうがあってるかもしれない。
ネコちゃんを飼うのは初めてだそうですが、それでも引き取りますか?」

聞けば、先生の所にはNPOさんが連れてくる野良ちゃんがたくさんいて
避妊手術をしてリリースされるのだという。
さっき待合室にいたときにも、1匹の野良ちゃんが連れてこられていた。

リオンと一緒に行動している、それが黒ちゃんを連れてきた一番の理由だった。
だけれど、この子はお外で生きていく力がある。
食べているということは、近くにエサやりさんがいるのかもしれない、
何より、外で生きていける子の自由を奪うことにもなってしまうのか。


何百・何千と野良ちゃんを見てきた先生がそう言う。
そこに私の甘い考えが入るのは、黒ちゃんにとってどうなのだろう。
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by lyon-sion | 2007-01-15 00:50 | リオンとの出会い~お迎え迄

にんじんこわい

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by lyon-sion | 2007-01-08 22:49 | リオンの日々
肢が白い。

ということは、あの靴下を履いた黒い猫ちゃんだ。

実は、捕獲準備のときに業者さんに聞かれていた。

「ほかの猫が入っちゃったら、どうしますか?」

ほかの猫とは、まさに白い靴下を履いた黒猫ちゃんと
相方が以前に見つけた茶トラの子猫のことだ。

私がごはんをあげに行ってる時に、現れたことがあるのはこの2匹だけ。
だから、間違って捕獲器に入るとしたら、この2匹しかいないはず。

リオンと一緒に行動しているらしいのだから
たぶん、病気であろうがなんだろうが、同じかもしれない。

それに多頭飼いというものは、出来れば初めからそうなってしまったほうが
後々、私自身が楽になる。
途中で増えると、やっぱり後からきた子のほうへ
どうしても手をかけてやってしまう。


カメさんでの経験しかないけれど、それで大きいほうのカメさんのむんばは
どれだけさびしい思いをしただろう。
いつもごはんを口に入れてくれるのに、最近、ままむんばは小さい子に手がかかって
自分はひとりで食べなきゃいけない。

小さいモグをお世話してる間は、もちろんそんなことは微塵も感じなかったけれど
モグの世話が終わって、食べ終えたむんばの口をティッシュで拭いたとき
鼻を鳴らしながら、私の膝に頭を突っ込んでべったりくっついて
甘えて来たのが忘れられなかった。
それからは、それぞれのカメさんを1日1回は必ず抱き上げ、
私の鼻とカメさんの鼻をこすりつけ、目を見ながら名前を呼び、声をかけることにしている。
今では、むんばもモグも大きくなって持ち上げるだけでも大変だけれど
必ずやっている。
病院へキャリーを抱えて連れて行った翌日に、腕がひどい筋肉痛になった時は
持ち上げてやれなかったから、私がカメさんの目線で這って
甲羅をさすりながらやっている。
寿命の長いカメさんのこと、おそらく私が先に死ぬだろうが
死ぬまでこれだけはやり続ける気でいる。



カメさんでさえそうなのだから
猫ちゃんではもっとなのだろう。

だったら、最初から2匹まとめて同じお世話をしてやったほうが
私としては、精神的にラクだと思った。

それに。
今度の住まいの契約書には、育てる猫の数が記載されることになる。
いくら猫OKとは言っても、所詮賃貸住宅だ。
猫がOkならいいでしょ?とばかりに、
あとからあとから猫を連れ込んでしまう人も以前にはいたそうで
飼育する猫の数を、最初から申告する必要があった。
だから、もたもたしないで、最初から連れて行かなければいけない。
リオンだけ連れて行き、引っ越してからやっぱり心配・・・と
黒ちゃんをまた連れて行くことになったら、申告のし直しになる。

だから電話口で告げた。「連れてきてください」と。

ものの5分で、業者さんは布に包んだ捕獲器ごと黒ちゃんを連れてきた。
そして、布を外して驚いた。

大きい。一瞬タヌキさんじゃないかと思うほどの
もこもこのしっぽ。

とりあえずまだリオンの捕獲があるので、逃げられないように
キャリーバッグに移し、業者さんは出かけて行った。

キャリー越しに見る黒ちゃんは、目がとても大きくて
漆黒を思わせるような毛並みだった。
最初はのどを鳴らしながら威嚇していたけれど
それも30分程度でとりあえず収まっていた。


それから2時間後。
約束の深夜0時になり電話が鳴った。
このチェックでリオンが入っていなかったら、また明日へ持ち越しになる。

入っていてもいなくても、0時には報告が入ることになっていた。

入っていなくても落胆した声を出さないようにしようと思っていた。
明るく、もしもし?と出た私に

「捕まりましたよ!肢のない猫ちゃん!」

そう弾む声で、答えてくれた。


連れてこられたリオンは、私が予想していたよりも小さかったけれど
元気だけはよかった。
もちろん逃げるために、暴れているのだろうけれど
3日食べてないはずだったから、安心した。

とりあえず捕獲器から出さなければと
キャリーの口を捕獲器の出口にくっつけて開けたら
細いリオンは、そのすきまから寝室のほうへ走ってしまった。

カーテンのすそに爪をかけて登り、そこからジャンプして
ベッドに行き、必死で逃げ回ったが
隅に行った隙を狙って、キャリーへ入ってもらった。

仕事を終えた業者さんは、
「よかったなー、これからはここの家の子になるんだよ、もう寒くないんだぞー」と
黒ちゃんとリオンに声をかけ、帰っていった。

その後、荒らされた寝室を片付けていたとき
ベッドシーツにシミを見つける。
リオンの血だった。

着地したとき、傷口があいたのだろうか。

とりあえず、明日。
もう今日は興奮している2匹には、余計な刺激を与えることはしてはいけなかったから
明日、病院へ行って診てもらおう。

寝る前に、それぞれのキャリーの窓から2匹を覗き
とりあえず落ち着いてきたことだけ確認して寝ることにした。

キャリーの置き場が無かったから
2匹がいる部屋は、引越しのダンボールを積み上げ置いてあるダイニングだったけれど
もちろんここには冷たい風は吹かない。
それに捕獲器の中に設置したごはんを2匹とも完食していたから
お腹が空いているということも無い。

もう体を丸めて吹き付ける風に耐えさせなくてもいいんだ、と
警戒している2匹には申し訳なかったが、心の底から安心することが出来た。
そして、もう、私も深夜に自転車を漕いで
しんとした住宅街を走ることも無いんだと
少しだけ、開放された気分になった。
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by lyon-sion | 2007-01-07 01:02 | リオンとの出会い~お迎え迄

緊張しながらくつろぎ中

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by lyon-sion | 2007-01-06 02:34 | リオンの日々
こうなったら何にでも縋りたい。

あと3日で今の家を去るし、なにより今現在ごはんをあげられないというのは困る。

また数件便利屋さんなどに電話してみたが
タウンページの情報とはちょっと違う会社もあったりして
貴重なお昼休みの時間に無駄骨を折っていた。

さすがにもう自分自身の力で探すのは限界かと
仕事を終え会社を出たばかりの路上で、チェックしておいた
隣の駅のご夫婦でペットシッターさんをやっているところへ電話をしてみた。

もちろん捕獲をしてもらえるわけではないけれど
有用な情報をもらえないかと思った。

そのシッターさんは、私の現状説明に熱心に耳を傾けてくださった。
捕獲の方法を一緒に考えてくれ、もしそれもだめなら
捕獲器を貸してくれそうなところを当たってくださるという。

時間の迫っている身だったが、こうして一緒に考えてもらえたのが
心底嬉しくて、私の周囲の人間から見れば「変わり者」と取られかねなかったことを
熱心に聞いて考えてくれたのが嬉しかった。

結局、自分で網を使っての捕獲は難しいと判断して
NPOのような所に所属している方が持っている捕獲器を
貸してもらえないか交渉してくださることになりいったん電話を切った。

2時間後、帰宅してもう一度連絡してみたところ
貸すのはOKだけど、日曜まで空いていないとの返事。

それではもう引越しが済んでしまっているので、あきらめるしかなかったけれど
シッターさんをお願いするわけでもなく、探してくださったことに
心から感謝をした。

そして、何も出来なかったから・・・と、良ければ明日の夜
一緒に捕獲を手伝おうかとまで言ってくれた。

どうしても、片肢のリオンが不憫だったので
人に説明するときは、懸命に時間が迫っている、でも助けたい!と
切々と訴えてしまっていた。
だから、そう言ってくださったのだと思う。
だけれど、深夜になるかもしれないこと、その方がもし手伝ってくださったとして
その間のお仕事を止めることなんてもちろん出来ない。

もうその気持ちだをくださっただけでも十分すぎるほどだから
もし、リオンを捕まえ暮らすことが出来て
私たち夫婦が緊急の用事で家を空けるときには
ぜひ、シッターさんとしてお願いさせていただくことを伝えた。
頑張って、必ず捕まえられるよう祈ってますと仰っていただき
電話を切った。


術は見つからなかった。
でも、行き詰まっていた私に、なんとなく力を与えてもらった気がした。


そして。
猫の神様はやっと重い腰をあげてくれたのかもしれない。

一ヶ月ちょっと、リオンのもとに通い
野良猫ちゃんが置かれている現状を教えられた。
寒い冬、食べものも満足にない上
いつニンゲンに何かされるかも知れない恐怖と戦いながら
生きるために耐えている。

私がたかが30分程度、リオンが食べているのを見守っているだけで
体は芯から冷えかじかみ、震えが出たこともあったけれど
この子達は24時間、そんな状況に晒されたままだ。

それを、肌で感じ、クリスマスのために彩られたイルミネーションさえ妬むほどの
暖かさへの羨望は、その場にいて見なければわからないことだった。



次に電話をしたところで、やってみましょうか?という返事をもらうことが出来た。

東京でペット捜索をしている会社だったが、その代表の方の
ご親族がリオンのいるスーパーから車で5分のところに住んでいるという。

ペット捜索は時間のかかることだし、迷子になった土地を調べる所から始める。
でも、リオンのいる場所はその方のよく知っている所だったので、
道にも詳しいし即座に捕獲に入れる。

それに業者だと、先方のスーパーとの交渉も
上手くいきやすいとのことで、私はいつもリオンにあげていたごはんの準備と
フェンスの場所だけ教えればいいとのことだった。

それから、切羽詰りながらも落ち込んで、でも自分を奮い立たせ・・・を
繰り返していた私に、昨日のシッターさんの言葉に加えて
力強い一言をくれる。

「うち(業者さん)ね、今年のペット発見率70%なんですよ。
捕獲器使えるなら90%」

その言葉を聞き、電話を切ってから
まず私がしたのは、ペット用品をネット購入したこと。
キャリーだけは捕獲するときのために買っておいた。
だけど、確証がなかったから、捕まえられた時点でそろえようと思っていた。

でも、思いがけず、「確証」をもらえた。
もちろん残りの10%になってしまうことだってあるかもしれない。
だけど、もうこれに賭けよう、いや絶対そうなる、ならなきゃいけないという思いが湧き
リオンのための猫用品を買うことにした。



翌日の夜19:30に、はるばる都内からわが家まで来てもらい
簡単な打ち合わせをしてすぐに捕獲準備に入った。

私がフェンスの前でカリカリの入ったランチパックをガサガサとリオンに聞こえるように鳴らす。
もう3日食べてないのだから、きっと現れてくれるだろうことを願いながら容器を振った。
その間に、業者さんがスーパーの責任者と話してくれていた。

5分後、業者の方は「私と数度話したマネージャー」ではなく
「店長」と入ったバッチをつけた方と連れ立って現れた。

そして「マネージャー」からの連絡不備で、3日前の看板を出したことや
今までの応対に非礼があったことなどへの謝罪を受けた。

わかってもらえればなんでもいい。
捕まえるために、フェンスの中の私有地へちょっとだけ入れさせてもらえるのなら
今までの私へのことなどどうでもよかった。

こちらからも丁寧にお礼を述べ、後は業者さんがすべて管理し
捕獲作業をしてくれることを確認して、店長さんと私はその場を離れることになった。



業者さんは、踏み板式の捕獲器を設置し
1時間ごとにその親類の家から現場に捕獲器の様子を見に行き
捕まったら連絡をもらうことになっていた。

とりあえず、3日間の契約だったので
初日は深夜12時まで、3回のチェックしてくれるということだった。

私が家に着いたのは20:50ごろ。
そして22:00に電話が鳴った。

逸る気持ちを抑えながら出てみると、ちょっと困ったように話し始めた。
「捕まりました。黒い猫ちゃんなんですが・・・」

「肢、白くないですか?」と聞くと
「肢とお腹が白いです」との返事だった。
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by lyon-sion | 2007-01-05 01:18 | リオンとの出会い~お迎え迄