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元・野良ちゃんで肢を無くしたリオンとFIPでも元気に頑張ってる局長の日々。


by lyon-sion
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離れよう。

リオンをお迎えすると決めて、まず取り掛かったことがある。

ペット飼育可能物件への引越し。

今はリクガメを育てているけれど
鳴かない動物は飼育OKだった。
ということは、鳴く猫や犬はNG。

去勢はするつもりだったから、
万一鳴かれてもたいしたことは無いんじゃないかと思ったが
それは私個人の感覚である以上、もう今の家は出ざるを得ない。

私は遠距離通勤をしている都合で、出来ればこれ以上電車の乗車時間は増やしたくない。
ならば、と、今住んでいる町の中で、移転することに決めた。

ネットの沿線住宅検索で日ごろ利用している駅名を入力し
間取りでも広さでもなんでもなく、「ペット可」のチェックを入れて検索すると
わずか10数件のヒットしかなかった。

転勤時期でもないから仕方ないかと思いながらも
試しに「ペット可」のチェックを外して検索をかけてみると
300数十件のResultが並ぶ。

なんて了見の狭い世の中なのか。

そんなことを毒づきながら
それでもペット可の物件を片っ端から問い合わせる。

でも。
不動産からの回答は全滅だった。
犬ならOKだけど猫はダメ。
というものだった。

納得がいかない私は、直接不動産に連絡をし理由を聞くことにした。

「猫は室内を荒らしますから、大家さんが嫌うんです」

それは、犬よりも身軽で高い所にも軽々と飛び乗れるし爪とぎもする。

だけれど、リオンは片肢がない。
高さ80cmあまりのフェンスを飛び越えることももう出来ない。
だから、普通の猫ちゃんとは違うんだということを説明してみたが
返事は芳しいものではなかった。



そうこうしながらも、ごはんをリオンが待っている場所へ
毎日持っていき続けた。
フェンスを乗り越えれば、もうすぐ抱き上げられそうな気もし始めたので
お迎えするなんて決めたはいいけれど
実際にお迎えする家が見つからないのだから
なんとも無責任な話だ。

それから数日後、ネットの賃貸住宅情報がアップデートされていたので
再び検索を試みた。
2つ、ペット可物件が新着として登録されていた。

だめでもともと、もう探さなければリオンをお迎えできない。
すぐに問合せて、翌日の連絡を待った。


仕事中の私の携帯には、昼までに2件の着信が入っていた。
2件とも、夕べ問い合わせた不動産だった。

1件目は、やっぱり猫だからという理由で断られた。
でももう1件は、猫飼育Okとの返事。
内見をすぐにお願いして、電話を切った。

言いようのない安堵感を覚えながら昼食に行き
改めてその物件のアドレスを携帯で見てみた。

広さは申し分ない。
今の住居の1.5倍はある。
だけど・・・家賃も1.5倍だった。
もちろん、家賃を知った上で問合せをしているけれど
ふと我に返ってその金額を眺めてみると、不安もあった。

普通、家賃と言うものは月収の30%までと言われるらしい。
我家は共働きなので、1.5倍になってもなんとか支払っていくことは出来る。

だけど、そうなると貯蓄があんまり出来なくなる。

動物を育てるには、いろいろ弊害がある。
家を間借りしている以上、契約内容に捕われるのは仕方の無いことだ。
だから、文句を言われないよう、マンションでも一戸建てでも
なんでもいいけれど、自己所有にならなければいけない。



迷った気持ちを持ちながらも、休日に内見に向かう。
今の住居から、歩いて10分かからない。
駅までは少し遠くなるが、猫OKなのだからそのくらいの我慢はなんでもない。
メゾネットタイプで、同じような家が5件並んでいる。
中庭も有る。
広さも日当たりも申し分なかった。
猫OKというほかに、うちのリクガメたちを育てる上でもいい部屋だった。


いったん駅まで出てコーヒーショップに入り、慎重に考えた末に、
その物件を借りることにし申し込みも済ませた。

これで問題無くリオンをお迎えできる・・・と思ったのもつかの間で
やっぱり、どこかしら不安を抱えたまま借りる物件というものは
ケチがつくらしい。


夜になって、不動産から連絡がきた。

家賃が間違っていました。

そういわれる。
リオンをお迎えできる安心感のなかで、青天の霹靂、だったと思う。


聞けば、そのメゾネット5件のうち、空室は2件。
私たちが見たほうは、高いほうの家賃の物件だったが
管理会社が物件資料を取り違えていて、安いほうの家賃を提示していた。
大家とも話し合い、このままでは申し訳ないので
5000円だけ家賃を下げるから、その高いほうの部屋を借りることにしてほしい。
狭いほうの部屋は、もう別の人が申込を済ませている・・・


それでは、今の家の家賃の2倍近くなる。
答えを保留したけれど、その後の大家と管理会社の対応も
ひどいものだった。
仲介している不動産には何の罪も無いが
それでは、ただ内見に連れて行ってくれた案内人でしかない。
仲介する以上、そのあたりの交渉はしっかりとやってくれるのかと思ったが
その担当者には、それだけの力量もなかった。

最初は無理をする気でいた。
共働きの強みだと思う。
だけど、大家と管理会社がありえない取り違えをし
仲介の不動産も私からの要求にオロオロするばかりだった。

申し込む前に、まともな対応が出来ない。
家がどんなに良くても、そんな人たちから自分達の住む安息の場を
借り受けるには不安が多すぎた。
結局は破談になった。

また、探さねばならない。
この際、中古マンションを買ってしまおうかと探し、かなりいい物件を見つけた。
広いし日当たりもいい、駅まで15分。築年数も浅い。
これなら、20年ローンで済ませられる。
そう思ったけれど、その中古マンションは居住中で
引渡しは来年3月。
もちろん、そんなに待てないから、あきらめることになった。


もう今の家の近くで探すのはあきらめ
この市を出ることにした。
通勤時間が延びても、もう背に腹は代えられない所まできてしまった。
気温が10度を下回る日が多くなった。
まさか、雪がちらつくころまで
リオンをそのままにはしておけない。

2駅ほど離れたところに、新興住宅地がある。
街並みのいたるところにペット用品屋が並び
ドッグカフェも駅から数分の所に2件もある。

新しい街だからこそなのだろうが
部屋を間借りする身で
古い町では得られない理解を求めることの出来るこの街に
移り住んでみようと言う気持ちになった。

今の市では考えられないほど、あっさりと猫を育ててもいいという家が見つかった。
築年数こそ15年だが、内装はリフォームされていた。
こんなに綺麗な部屋に猫を入れてもいいんですか?との問いに
不動産の担当者はかまいませんと即答してくれた。
家賃も今の家とそう変わらない。
これで安心して貯蓄を続けられる。

やっぱり、不安が付きまとうことには、良い結果と言うものは得られないと
今回の件で思い知った気がする。

でも、これで安心してリオンをお迎えする準備が整った。
部屋探しに1ヶ月も費やしたけれど、なんとかなった。

今住んでいる場所は、小さい頃からの憧れの土地で
移り住んで来た時に、移転連絡をするたび、その住所を書くのが嬉しかった。

だけど、それよりも大事な存在を見つけた。
だから、もう迷いは無い。
離れよう。
いつか、家を買ったら戻って来るかもしれないけれど
リオンのために、今は離れよう。

そして、リオンと私たちを一緒に迎え入れてくれる街に行こう。
きっとそこには、楽しいことがいっぱい待ってるはずだから。
by lyon-sion | 2006-12-01 01:32 | リオンとの出会い~お迎え迄