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元・野良ちゃんで肢を無くしたリオンとFIPでも元気に頑張ってる局長の日々。


by lyon-sion
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結果論

いつものC病院に検便の結果を私一人で聞きに行って来た。
おそらくもう・・・と思いながら、台風の中バスに乗った。

受付で、検便の結果と今後について聞きたいと告げ、順番を待った。

名前を呼ばれ診察室に入り、「それで・・・」と切り出されたので
検便の結果を聞く。

「消化酵素がうまく出ていない、だから下痢は治まらないんだろう。」


そうですか、では膵炎の可能性は?と聞こうとしたけれど
それで体調は、と話を進められたので、黙ることにした。

局長のことについては、先週の注射から下痢がひどくなったこと
悪臭(酸っぱい臭い)になったこと
だからステロイドを中止して、ほかの薬だけにしたら回復したことを伝えた。

院長の返答はひとつ。

「それでよくなったのなら、それで続けてみることだね。
どっちにしろ、また下痢はぶり返すだろうけど。」

そして、診察台越しに話していた場所から出て
私を退室させようとドアを開けた。

これでもう来なくていいんだな、と思いながら
私はもうひとつのことを聞いた。

「では、もう(再)検査はしないんですね?」

院長は即座に「ない」
しないです、ではなく、ないとひとこと。
それでドアは閉まった。


検査代はすでに前回支払済みだったので、
今回は料金はかからないはずと思いつつ
このまま来なくなることを考えると、後で何か言われても困るので
検査結果を聞いた正味2分の診療代の精算を待っていた。

すぐに名前を呼ばれ、「診察代はいい(要らない)そうです」と
ほかの獣医に言われる。
奥には院長の姿が見えていたけれど、決してこちらを向くことはなかった。

費用は要らないときちんと告げられたので帰宅する。
帰り道、急激に悪化したC病院との関係を振り返った。

おそらく院長は、治癒の見込みがないことと
私が「勝手に」ステロイドを中止し、一時的にでも回復したことが不服だったのではないか。
だから匙を投げたか。


開業医ともなれば、その中では「自分が法律」
誰一人、その姿勢が偏ろうとも、正すことなんてないのかもしれない。
常に立場は、獣医が上、患者が下だった。
旧態依然としているかのような主従関係の感は否めなかったけど
すでにC病院がセカンド・オピニオンだったこともあって
不安に思うことがあっても、自分の中で飲み込んできた。

専門知識がない以上、獣医師の診断に疑問すら持つことができない。
この半年、FIPに関するものなら何でも読んではみたものの
それは、その文献だけの知識であって、そこに登場する薬剤については、FIPの様々な合併症の一部への薬効しか記されてはいないのだから、それしかわからないままだ。
文献内容以外にも、様々な疾患への有効作用があるはずなのだけれど
そこまでフォローすることは私にはできなかった。
薬学の基礎も何もないし、化学を理解するアタマがない私のことなので、当然の話なのだけれど。

だから、情けない話ではあるが、ブツブツグチグチと原因不明の下痢について解釈を述べていた局長の前のかかりつけだったのR病院に比べ、断定的にFIP治療に入ったC病院には、当初、「やっとここまで進めた!」と喜んだ。
特にステロイド治療が始まるまでは、希望すら持っていた。
これで治るかもしれない、いや、治らなくても現状よりは上向くはずと信じることにしていた。

いつも診察が終わって帰宅すると、文献を読み返したり調べたりして検証した。
不思議と合致するものがなかった。
もしあったのだとしたら、逆にもっと不安な日々を送っていたと思う。
なぜなら、文献というものは、治療・治験したものに、必ず結果が記されているからだ。
そこにはほぼ全てに、「死亡・殺処分」の文字が並んでいる。

(*治験後の動物は解剖のため殺処分されます)

だから余計に、文献と違う診断・投薬処方が安心をもらっていたことになっていた気がする。
薬を増やすたびに、はじめの数週間は良い結果が出た。
そのあたりは局長の体も安定していたのだけど、効果が収束してしまうのも早かった。FIPであるならば、仕方ないことなのかもしれないが。

結局、安心していたのは私自身だけであって
局長はそうではなかったのだから、これは飼主である私の失態だ。
それだけは、局長に詫びたい。



C病院に行く前に、ほかの病院を探していた。
いずれは大学病院へ行くことになったとしても
ある程度の検査が済んだら、地元の動物病院へ転院するほうが負担は減らせる。
その受け皿になってくれる病院を探さなくてはいけない。

保険として2軒にこれまでの経緯を説明して、
私の望む治療を行ってもらえるのか電話で尋ねることにした。

1軒目は、野良ちゃんだったリオンの健康診断をしてくれた先生。
この先生はとにかく細部まで説明してくれるので、いずれ前に住んでいた町に戻るときが来たら、かかりつけにするつもりでいた。
でも、診察中だったので、リオンをいずれ健康診断に連れて行くと受付の方に伝え電話を切った。

そして2軒目。
いつもバスから眺めていた病院。
HPも持っていないので、半ば賭けのつもりで電話をしてみたところ
受付のAHT(Animal health technician)さんは、私の話を聞いて
対応できるとの回答をくれた。
ただ、最終判断は獣医師なので、とにかく現状を直接話すことにした。

C病院で検便の結果を聞き、そのあとN動物病院へ向かう。
台風だというのに患畜さんが多く、洗濯ネットに入れられた状態ではあったけれど、毛布で大事そうに包まれて診察に来ているネコさんの姿があった。

C病院では、ネコをただ抱っこしてくる人も少なくなかった。
犬も同様で、大きな犬はともかく小さな犬では、待合室でリードを放して談笑している飼い主の姿をたくさん見てきた。

そのたび、私と局長は受付に「外で待ってます」と告げ
呼ばれるまでの数十分、日陰で過ごしてきた。
(かわいい犬も多かったのも事実だけれど)

夏はまだ良かったけれど、真冬にそれでは困ると本当に感じていたので
ネットやキャリーへ入れて連れてくることを原則としている貼り紙を大きく掲示しているこの病院の姿勢は、とても感じ良く映った。

ほぼ似たような広さの待合室なのに、指導の仕方ひとつで
飼主はそれに準ずるものだという、見本のような気がした。

たったひとりの獣医師は、一通りの治療経過と投薬状況、
そして私の最大の望みである、「推測で治療をしないでほしい、検査結果という根拠のあるもので診断をしてほしい」ということに理解を示してくれた。

ただ、私がステロイドを中止したことには、こう言っていた。
「よくやめましたね、獣医は(投薬を継続している)薬はなかなかやめられないものなんですよ」

多少なりとも効果が表れている薬剤を止めた時の保証ができないということなのだろう。
その場合は、十分に説明を受け、話し合えばいいと思う。
効くはずだからと、明らかにぐったりしているネコに投薬するには危険が大きいのだから。
リスクも承知しているつもりはある。
獣医も口にした。
年齢不詳だけど老齢とみられるのなら、そう長くはないかもしれないと。
だから投薬状況を変えて、体調に変化をもたらすこともリスクにはなる。

でも、想像も本当はしたくはないけれど、10才かもしれない、15歳かもしれないとなれば、FIPより寿命が先に来ることだってあるかもしれない。
だったら尚更、薬だけで苦しませない方法も探ってほしいとお願いした。

後の患畜さんが詰まっているので、とにかく明日、本当にFIPなのかどうか、また膵炎が疑われるという診断状況には、幾ばくかの疑問が残るとした上で
現状把握に必要な検査を一通り行うことを約束し、診察室を出ることにした。
席を立つとき、「よく半年頑張ってきましたね」と
初めて獣医師から労いの言葉を受けた。

初対面の優しさに騙されてはいけない、獣医師と一緒になって治療し、そのやり方をしっかり勉強させてもらって一生懸命やってくれるのか知っていかなければいけない。
理解を示してくれると、つい信用しそうになってしまうというのは、C病院で経験したことだ。

そう思いながらも、一連の治療・闘病経過を話した後に
診察する側の人間から言われたことで
いままでやってきたことは、少なくとも間違いではなかったのかもしれないなと思えた。


FIPを治療・緩和する方法を模索・・・と、平気でブログでも書いてきたけれど
それは動物にとって苦痛を伴うことが多いことなのだと思った。
人間としては、状況を把握した上で、「良い方向に向かわせるための策」として行っているのだが、動物はそうは感じない。

これがリオンという若いネコさんであれば、やっていることは今よりも違ったと思う。
若いネコの免疫は、FIPVすら活性化するのだから、猶予がない。
即座に命にかかわるのだから、対症療法はもっと過酷にしてしまっていたかもしれない。
だけれど、老齢のネコである局長は、もし本当にFIPなのであれば
その進行が遅いと言える。
それとうまく付き合っていけるなんて、まったく思えなくなっているのだが
やっぱり、うまく付き合う道を探しなおそうと思う。

だから獣医師には伝えてある。

もう下痢の完治は目指さない。
下痢を起こしている状況には、もう体が慣れてしまっていると思う。
内臓に炎症があることは間違いないけれど
それを抑えたら、元気もなくなってしまう。
それならば、苦しくないやり方で、体調管理をし、なるべく元気で日常を過ごせるようにしてほしい。

お漏らししても、ベッドシーツも毎日手洗いしていく気持ちになった。
それだけでも、私にとっては収穫かもしれない。
by lyon-sion | 2007-10-28 02:01 | 局長通院メモ(過去)